キャビンアテンダント・フライトアテンダントのための
≪サービス学講座≫
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サービスと言葉  一流を目指そう
サービスのプロ

サービス=心+知識+技術+センス
サービスには、「心」が大切だとよく言われます。たしかに、他人のために何かしてあげたい、という気持ちがなければ、よいサービスを提供できません。しかしながら、「心」があれば、よいサービスを提供できるかというと、残念ながら、それだけでは不充分です。サービスには、十分な知識と、訓練された技術が必要です。

サービス=知識

飛行機の中で、食事サービスがあります。料理サービスのことを知らなければ、そのサービスはチグハグになってしまいます。たとえば、食事サービスで、オードブルコースとスープコースはどちらが先か、チーズコースとデザートコースのサービスの順番は、等々のことを知らなければ、サービスできません。基礎的なことは、訓練生のときに習いますが、その先は、自分で知識を深めなければなりません。そして、知っているだけではダメです。


筆者が教官時代、訓練部の教室の壁には、
       「知っていても、やらなければ、知らないのと同じである」
という標語が掛かっていました。


サービス=技術

知識があっても、それを表現する技術がなければ意味がありません。料理サービスは一種のショーです。 スマートさが必要です。高級鉄板ステーキハウスに行くと、シェフは目の前で、ステーキを焼いてくれます。焼くだけでなく、それを切り分けてくれます。このときの包丁さばきがモタモタすれば、せっかくのステーキも、おいしそうには見えなくなってしまいます。

機内でも、いろいろ技術を発揮する場面があります。Liquorサービスで飲み物をつくるとき、EntreeをDish Upするとき、ワインを注ぐとき、お客様の目の前でコーヒーを注ぐのでさえ、技術が必要です。注いだコーヒーカップを、お客様のテーブル上の一番よい場所に、イッパツで置くことができますか。


サービス=センス

センスのない人は、サービス業には向いていません。センスとは"Sensibility"のことを指します。Sensibilityとは、「感じる力」です。美しいもの見たとき、美しいと感じる人とそうでない人がいます。

FRクラスで、盛り付けられたオードブルやEntreeを観ると、それを担当した人のセンスが判ります。センスある人の盛り付けは、色合い、バランス、見た目がよく、調和がとれています。Plate上のEntreeの位置もきまっています。飲み物ひとつとっても、多からず少なからずちょうどよい量の飲み物がグラスに注がれています。

お客様が、何を求めているかを、いち早く察知できるのもSensibilityです。ちょっとしたお客様の頭の動きを見て、「用があるかもしれない」とキャッチできる人はセンスがあると言えます。そして、サッとお客様のところに行ける人がプロのサービスマンです。


サービスは演技
 『日本のスチュワーデスはよく訓練され、マニュアル通りにやるが、心がこもっていないと言うのです。この「心がこもっていない」という言葉は検討する必要があります。
 人間は、はじめて会ったお客に対し、すぐその場で心の底から愛情を感じ、尊敬できるものでしょうか。考えるまでもなく、そんな要求は無茶な話です。お客様に接した瞬間から、サービス人間が客に示す敬意と親愛の情は、もちろん芝居です。一個の人格であるスチュワーデスにそれ以上を望む権利は客にはありません』
田辺英蔵著 「サービスの本質」より
 
日本のサービス人間たちは、この芝居が上手くない、というのが田辺氏の主張です。日本民族自体がきまじめなところがあり、芝居がかったことをするのが苦手です。一方、欧米人は、手振り身振りひとつとっても、日本人からみれば大げさに見えるくらい、よく動かしながら話します。欧米のサービス人間たちは、それをフルに活用します。芝居が上手であればお客は楽しいし、幸せな気分になります。

五感すべてに訴える
お客様は、スチュワーデスの魅力的な立ち振る舞いや清潔感あふれる身だしなみを目で感じ、応対している時の言葉遣いを耳で感じ、おいしそうに提供してくれた食事を舌で感じ、今日は香水の匂いがなくてよかったと鼻で感じます。そして、お客様に喜んでいただこうというスチュワーデスの気持ちを、第六感で感じます。それぞれがバランスよくなくては、「なにか、今日のスチュワーデスは・・・」ということになります。

ノープロブレム人間

問題が起きたときに、人間は二つの反応を示すそうです。ある人は、
   "It's no problem."
と言い、別の人は、
   "It's problem."
と反応するそうです。

機内では、いろいろな事が起きます。お客様が何か失敗をしたとき、たとえば、コーヒーをこぼし申し訳なさそうな顔をしているお客様に向かって、
   "It's problem."
と言う人は、サービス業には向いていません。「大丈夫ですよ、お客様、心配なさらないでください」と言えるスチュワーデスになって欲しいものです。

 
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