塾長の雑学講座

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3つの言葉 能ある者、功ある者 政界型、財界型、芸術系
だいじょうぶですか ビデ(Bidet)の話 最近のパリ治安
政局の見方 年齢別勉強内容 Duty FreeとTax Free
IT時代と記念撮影 2段階上の見方 TIMを読もう
女性の社会進出とストレス お金を渡すとき 情操教育
TVドラマ「アテンションプリーズ」 箸の持ち方 チャンスはいただけ
少子化と平均寿命 Noblesse Oblige 9の倍数と命
Galleyの使い方 プライバシーの確保 呼吸の話
スチュワーデス学の本 欠勤の話 採用人数
トイレが近い 2-6-2の法則 サービスは技術
中間日本語論    
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3つの言葉

接客場面や職場、個人生活など、どこでも使えて、皆さんを魅力的にする言葉があります。それは、「ステキですね!」「すごいですね!」「そうなんですか!」の3つです。

旅客は、One of Themとしてではなく、個としての存在を知っておいてほしいと思っています。旅客のことを気づいてあげる。そして、それを伝えることが個としての存在を認めることになります。そのときに向いた言葉が「ステキですね!」です。この「ステキですね」は、職場生活や日常生活でも使ってほしい言葉です。自分に余裕がないとこの言葉は出てきません。反対に、この言葉を使える女性に、ステキな女性が多いのです。

上司や年上の人は、若い人たちに、経験談や苦労話をするものです。その心の底には、自分を認めてほしいという思いがあります。上司に敬意を示す言葉が「すごいですね」と「そうなんですか」です。特に、「そうなんですか」は、上司の考えや立場を認める言葉となります。これは旅客にも使えます。また、舅や姑にも大いに使ってほしい言葉です。好きな彼には、「すごい!」を使ってみたらどうでしょう。

相手を認めることが、よりよい人生を過ごす第一歩となります。

 
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だいじょうぶですか

トイレの前で、貧血を起こした旅客に突然倒れられるのは、国際線Crewなら誰で経験していることです。それ以外でも、機内では、旅客の体調が急変することもあります。そのようなとき、皆さんは、どのような声かけを行なっていますか。よく耳にするのは、「お客様、だいじょうぶですか?」です。

旅客は、自分がどうして倒れたのか分からなくて不安になっています。そこへ、「お客様、だいじょうぶですか?」となれば、旅客はよけい不安になります。ときには、不安そうな声で、「お客様、だいじょうぶですか?」とたずねているCrewもいます。ここで使う言葉は、「お客様、だいじょうぶですからね」です。そして、まず旅客の不安を取り除くことです。なぜなら、不安が高じれば、ショック状態に陥るからです。ショック状態になれば、自分で呼吸をコントロールできなくなり、生命が危険にさらされます。

前のエッセイで、ショック状態に陥った新婚カップルの新婦の話を書きました。あまりの揺れで、空酔いがはげしくなり、不安が気持ちも重なり、ショック状態に陥ってしまいました。そのため、息を吸ってばかりしました。そこで、呼吸を整えさせていくうちに、本人は目を開けるようになり、落ち着きました。しかし、最初に、伝えたのは、「飛行機はどんなに揺れても落ちることはないですから安心してください」「あなたもだいじょうぶですからね」。不安を取り除くことでした。

 
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政局の見方

景気がわるいときは保守党系が政権をとり、景気がよくなると労働党系の政党が、躍進するか、政権を取るという歴史が繰り返してきています。海外でも同じです。

日本では、バブル経済が90年代前半まで続きました。経済が絶頂期になったとき、衆議院議長は誰だったと思いますか。「おたかさんブーム」を引き起こした社会党の土井たか子氏でした。そして、それと前後して、連立を組んだ社会党の村山富市が首相になったのもこの頃です。労働党系の政党だった社会党が躍進しました。なぜ、躍進したのでしょう。それは、国や企業に富が集まったからです。労働党系の政党は、その富を国民に分配する役割を期待されたからです。

ところが、バブル絶頂期に躍進した社会党は、バブル崩壊とともに、消滅してしまいました。景気後退とともに、不良債権問題が起こり、金融危機になりました。そして、あちこちで倒産する企業が続出しました。景気回復こそが民衆の一番の願いでした。なぜなら、リストラで失業者が町にあふれていたからです。そして、自民党の小泉首相にその願いを託しました。小泉政権は、不良債権処理をはじめ、行政改革、金融緩和政策、民営化政策などを行なってきた結果、好景気期間が戦後最長と言われるほどになりました。

評論家やマスコミがいろいろ解説していますが、2007年の参院選での自民党惨敗は、大衆が富の分配を、労働党系の民主党に期待しただけのことです。年金問題にしても、格差問題にしても、大衆への分配をちゃんとしてくれと言っているのです。

80年代、日本が高度成長を謳歌しているとき、イギリスが英国病にかかり、経済が疲弊していました。失業率はゆうに10%を超えていました。その頃、筆者は、初めてのロンドン基地スチュワーデスたちの訓練を担当していました。彼女たちからも、特に、若者たちの失業率が高いことを聞かされていました。当時すでに、英国の建て直しを担っていたのが、鉄の宰相と呼ばれたサッチャー首相でした。労働組合の反対をものともせず、国営企業の民営化を促進したり、規制緩和を行なったりして経済を活性化させました。そして、それを同じ保守党のメジャー首相が引き継ぎました。そして、英国は長い不況から脱出し、景気も回復しました。その後、政権は労働党に移り、ブレアー首相が誕生しました。景気がよくなった結果、大衆は富の分配を労働党に求めたのです。その後も、英国景気は順調に来ていますので、労働党が政権を保持しています。

1960年代、アメリカ人は、強いドルをもって世界を闊歩していました。ところが、60年代後半になると、ベトナム戦争の失敗もあり、70年代のアメリカ経済は、財政赤字と貿易収支の赤字を抱え、最悪な状態となっていました。1980年に大統領になったレーガンは、レーガノミックスと呼ばれる経済政策を打ち出し、経済の建て直しを進めました。80年代後半から90年代にかけて、ブッシュ大統領(今の大統領の父親)がレーガン政策を引き継ぎました。そして、経済状態がよくなると、政権は民主党がとり、クリントンが大統領になりました。クリントン政権下で、また、景気が悪くなり、国民は、景気回復を共和党に託しまし、そして、現在のブッシュ大統領が誕生しました。来年の米大統領選挙で、共和党が勝つか、民主党が勝つかは、来年のアメリカ経済次第です。

 
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IT時代と記念撮影

筆者が、中学生のときの修学旅行は京都でした。そして、そのときのバスガイドさんがとてもきれいで、やさしくて、中学生ながら、彼女に淡い思いを抱いたことを今でも思い出します。バスガイドさんの制服姿はなんとも魅力的で、写真を一枚撮らせてもらいました。その写真は、今でも、アルバムに貼り付けてあります。そして、それは一生の思い出になっています。

サービス業では、消費者がいくら大金を払っても、消費者の手元に商品は残りません。消費者がサービス業にお金を払うのは、それを利用してよかったという思いを持てるからです。サービスの良し悪しは、どれだけお客様によい思い出(感動)を与えられるかにかかっています。担当してくれたスチュワーデスたちと一緒に撮った写真は、旅の思い出としては、最高のものになり得ます。

ところが、IT時代とか、デジタル時代に入り、制服姿の写真が、インターネットの世界で一人歩きする問題が出てきました。これらの世界で、掲載されている写真の大半は、スチュワーデスに出会えたという「うれしさ」を、見知らぬ人たちにも伝えたいとの思いからです。しかし、中には、違う意図で掲載されることがあります。

写真撮影の申し出があったときは、旅客と一緒に撮るとよいでしょう。それは、旅客のよき思い出になると同時に、旅客も写っているので、インターネットの世界に流れにくい写真となります。

 
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女性の社会進出とストレス

日本人の平均寿命は82才です。北欧のスウェーデンは81才で、やはり長寿の国と言えます。両国とも、男性の平均寿命は78才なのです。ところが、女性の平均寿命は、日本85.才、スウェーデン83才で、2才の開きがあります。女性のほうが長生きするのは、どの国も同じですが、スウェーデンでは、平均すると、女性は男性より5年しか長く生きられません。日本女性は、男性より7年も長く生きています。

スウェーデンでは、女性の職場進出が早くから行われてきました。そして、職場では、女性は、男性と対等に仕事をこなしてきました。女性は、元来、女性ホルモンの助けで、高血圧などになりにくく、長生きできるように造られています。ところが、男性に負けないよう働く結果、男性が味わうストレスも抱えるようになっています。飲酒の機会も増え、食生活にも影響が出てきます。その分だけ、平均寿命が男性に近くなっています。

最近、筆者のまわりでも、仕事をバリバリしている女性がダウンしています。日本女性も職場進出に伴ないストレスを抱える人が増えています。筆者の持論は、「ストレスはガンを招く」です。そして、抱える問題が自分のキャパシティを越えていたり、仕事上での問題、個人生活での問題など、複数の悩みを抱えていたときに、ストレスは身体に影響を与えていきます。アメリカでの研究によると、長引く離婚問題はガンの原因の4番目になっています。

日本女性も、スウェーデン女性に近づきつつあります。見栄とか競争心などの欲を捨て、自分の能力を高めることでストレスマネジメントを行なう必要が出てきています。

(参考) 日経新聞 「女性の社会進出、寿命に影響」 家森幸男氏

 
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TVドラマ「アテンションプリーズ」

皆さんも知ってのとおり、今回のTVドラマ「アテンションプリーズ」は、昭和45年(1970年)頃、日本が経済成長めざましい時代に放映された「アテンションプリーズ」の現代版です。1960年代までは、飛行機は限られた人の乗り物でした。 1970年代になると、ジャンボジェット機が導入されるなど、航空機による大量輸送時代の幕開けが始まりました。多くの人々に海外旅行に行ってもらうために、TV局と航空会社が協力して製作したのが、最初のシリーズです。

日本は、1990年代のバブル崩壊に続き、景気が長いこと低迷していましたが、やっと景気がよくなってきました。最初の「アテンションプリーズ」が放映された頃も、景気はとてもよい時期でした。今回も、また、景気がよい時期での放映となっています。財布のヒモがゆるみはじめた消費者を、航空機利用へ呼ぶ込むための戦略が見え隠れしています。

最初のシリーズは、もうひとつの役割を果たしました。それは、ジャンボジェット機が投入されて、航空会社は、大量の客室乗務員を必要としていました。JALだけでも年間1000人近くのスチュワーデスを採用する必要がありました。スチュワーデスは別世界の人たちと考えていた若い女性たちに、スチュワーデスの世界を知ってもらう目的もあったのです。

昨年、やはりANA客室乗務員を扱った、TVドラマ「グットラック」が放映され話題にのぼりました。そのあと、ANAは大量の客室乗務員を採用しています。そして、2006年に行われた新卒者対象の「人気企業ランキング」で、就職したい会社のトップになりました。「グッドラック」は、世間の目を同社に向けたり、優秀な人材確保したりするのに大きな役割を果たしています。

もうひとつ、最初の「アテンションプリーズ」「スチュワーデス物語」など「JALスチュワーデスもの」は、TBS系が行なっていました。2006年に放映された「アテンションプリーズ」はフジTVでの放映となっています。そして、「グッドラック」はTBSでの放映でした。航空会社とTV局との関係が変化しているかもしれません。

 
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少子化と平均寿命

日本人の寿命は、年々伸びてきています。平成16年(2004年)には、平均寿命が男79才、女85才を越えました。一方、女性が子供を産む数は年々減少しています。厚生労働省の調査によると、15〜49才までの女性が産んだ子供数の平均は1.29人となっています。これを、「合計特殊出生率」と呼びます。日本は、さらに、高齢化、少子化の社会に向っています。そして、少子化を防ぐために、政府は、女性が子供を産み、育てやすい環境づくりにいそしんでいます。

魚のイワシやさんまは、大量の卵を産みます。なぜなら、他の魚や動物に襲われてしまうからです。人間にも食べられてしまいます。動物の世界では、種の保存が自然のうちに行なわれています。イワシやさんまは、他の魚に食べられたり、人間に捕獲されても、種が絶えることないよう、大量に卵を産んでいます。魚にかぎらず、動物の世界では、平均寿命は、人間に比べると、短いのが普通です。15年前後しか生きられない犬は、一回の出産で、平均 5,6匹を産みます。

平均寿命が短かった頃は、どこの家でも、多くの子供がいました。衛生状態が悪かったこともあり、子供の死亡率が高かったため、子供が一人二人欠けてもよいように、何人もの子供を産んでいました。そして、大人たちの平均寿命も、それほど高くはありませんでした。厚生労働省の統計では、昭和22年の平均寿命は、男50才、女54才でした。大人たちも、長く生きられないことを知っていました。

これらの観点から見ると、平均寿命と出生率は多いに関係がありそうです。平均寿命の伸びとともに、出生率が低下してきています。そして、今や、政府や産業界は、労働力不足を心配しています。一方では、「たばこは健康によくない」とか「正しい食生活をしろ」とか、平均寿命を伸ばす政策をとっています。そして、女性が子供を産みたがらないのは、育児の環境が整っていないからと結論づけています。女性の皆さんは、育児をしやすい環境になったら、もっと子供を産みますか。

 
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Galleyの使い方

ボーイング社製航空機のGalleyは、日本のジャムコ社製であることはあまり知られていません。世界の航空機の30%は、ジャムコ社製のGalley を使用しています。トイレに至っては50%が同社製なのです。航空会社の要望にそって、ジャムコでは、その航空会社に合ったGalleyを製作しています。また、その要望はさまざまです。

日本の大手航空会社では、早くから、C/Aの女性化を進めてきました。したがって、日本人スチュワーデスが扱えるGalley仕様が求められました。Galleyカウンターの高さ、上部収納スペースへの出し入れ、Mealカートのサイズや重さなど、さまざまに工夫されています。一方、外資系航空会社では、男性C/AがGalley Dutyを行っていることが多いようです。それらの航空会社では、Galleyは、男性の発想で作られています。Galley内の仕事は、男性に任せるような仕様になっています。

国際線機材では、対面式Galleyが多く見られます。この対面Galleyは、Wet GalleyとDry Galleyから成り立っています。Hot Water MakerやCoffee Makerが備わっている側が、Wet Galleyです。そして、もう一方が、Dry Galleyとなります。Wet Galleyカウンターでは、飲物を調整したり、Hot Beverageを用意したりします。Dry Galleyカウンターには、濡れては困るようなDry Itemを置いたり、書類を置いたり、書きものしたりします。そのため、Dry Galleyは、常に、拭いてDryな状態にしておきます。ところが、Dry Galleyに、開栓された飲物などLiquor Itemが置かれっぱなしになっているのを見かけます。反対に、Liquid Containerの下に、機内販売端末機が置きっぱなしになっていたり、入国書類が置いてあったりします。Mealサービス中も、Cabinで Beverageサービスを行って、サプライに帰ってきたときも、SugarやCreamが乗っているTrayがLiquid Containerの下に置きっぱなしになっています。このような時のGalley内は、たいてい混乱して、スムースなGalley Workができていません。

 
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スチュワーデス学の本

スチュワーデス本は、たくさん出版されています。ところが、客室乗務員のことについて、
体系的にまとめられている本はありませんでした。下記の本は、航空旅行客のために書
かれた本ですが、その内容は「スチュワーデス学」と呼んでもよいものです。第1号スチュワーデス
が誕生した秘話にはじまり、客室乗務員、機内サービス、制服、航空旅行など、その流れ
や逸話について書かれています。第1号スチュワーデスは、ユナイテッド航空の前身BAT社で8名が採用されました。UA社では、彼女たちを「オリジナルエイト」と呼んでいるそうです。現役の皆さんにとっては、旅客との会話や講演活動などで、大いに役立つ本です。ぜひ、読んでみてください。成田ターミナルにある書店でも売っています。

読んで愉しい「旅客機の旅」 中村浩美著 光文社新書 ISBN 4-334-03209-5

〈最初のスチュワーデス用マニュアル〉

(1) 勤務中は常に、充分に訓練された奉仕者としての礼儀と慎みを保つこと。常に笑みを絶やさず、しかし、乗客に親密すぎる態度はとらないように。
(2) 途中の降機地では、必ずチケットにパンチを入れること。すべての乗客の手荷物にBaggage Tagを付け、搭乗時にチェックすること。
(3) 乗客用の食事(フライドチキン、リンゴ、ロールパン、ケーキ)、熱いコーヒー入りの魔法瓶を積み
込むことを忘れないように。
(4) 制服着用時の機長、副操縦士には、常に礼儀を尽くすこと。搭乗、降機の際には敬礼すること。コックピット・クルーの私物を確認し、迅速に機内に搭載すること。
(当初パイロットたちは、空の職場に女性が加わることを歓迎していなかった。パイ
ロットの奥さんたちはもっと歓迎していなかった。筆者注)
(5) キャビンの壁に設置された時計のねじを巻き、高度計をセットすること。窓枠のホコリを払い、ランプシェードをきちんとする。フライトの前に、籐椅子のシートを床に留めているボルトを確認すること。(制服のケープには、大きなポケットがあって、ここに彼女たちはレンチ、ドライバーを入れていた。筆者注)
(6) プロペラ回転中は、その回転半径に誰も入り込まないように注意すること。
(7) 離陸後、キャビン内に入り込んでいるハエを取ること。(ハエ叩きは必需品だった)
(8) 火のついた吸いさし煙草やごみを、窓の外に捨てないよう、乗客に注意を払うこと。(当時の旅客機は、窓が開いたので、これは重要な仕事。また、乗客が化粧室と使うとき、間違って乗降ドアを明けないように監視するのも重要なことだった。筆者注)
 
― 途中省略 ―
(9) 旅客機が予定外の着陸をする場合に備えて、鉄道の時刻表を常に持参すること。最寄の駅まで乗客を送って行くことが、期待される。
(10) 眠っている乗客を起こすときには、びっくりさせることがないように、その肩にそっと触れること。もし効き目がない場合には、乗客の肘を強くつまんでみること。

これら以外にも、乗客、機長、副操縦士と、食事やデートをするのはご法度でした。
看護婦だった彼女たちは、病院勤務のときも、同じような規定があったので、気に
はならなかったと書かれています。

 
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トイレが近い

ジャンボジェット機のような大型機材が投入されて30数年が経ちます。この30年間で、大きく変わったことの一つは、旅客年齢層の変化です。それ以前は、国内線でも、国際線でも、飛行機を利用するのは、一部の限られた人たちでした。そのため、年齢層も30,40,50代が中心でした。時代が変わり、現在では、あらゆる年齢層の旅客がいます。そして、これからますます増えていくのが高齢者の方です。航空会社側も、少子化が進んでいる中で、経済的にも余裕のある高齢者の利用に期待することになります。

日本経済の高度成長期には、ご主人の海外転勤で、その家族が搭乗してきました。赤ちゃんや子供連れで海外に行かざるを得ないご家族を、サポートするためのサービスに力を入れてきました。客室乗務員も、赤ちゃんのミルクづくりに始まり、お子さんたちが飽きないよう、エンターテイメントキットを活用したりしてきました。訓練でも教えられました。最近では、赤ちゃん連れの観光旅客が増えていますが、今までに培ってきた経験を活かしサービスにあたっています。子供がいる乗務員は、私生活での経験も活かしています。

これからは、子供の扱いに加えて、高齢者への接し方についての勉強が必要になってきます。たとえば、トイレの問題です。筆者も、若い頃、両親を連れてハワイに行ったことがあります。ところが、旅行中、一番大変だったのはトイレ探しでした。当時、両親はまだ60代前半でした。そして、トイレに行きたいと言われると、「またかよ!」とつい口に出していました。晩年、両親は、トイレが近いからと旅行に行きたがらなくなりました。歳がいった方たちは、いままで一生懸命働いてきて、そのご褒美に旅行に出てきています。ところが、ゆっくり旅行でも、という時には、今度は、身体のどこかに不具合が出てきています。

トイレ近くの座席にして欲しいという高齢者の方は多いのです。ところが、旅行社のパックツアーのため、トイレから離れたところにアサインされることもしばしばです。トイレの近くに空いている席があれば、そちらに移動したいと思っているかもしれません。トイレ待ちしているとき、ガマンできなくなっていることもあります。客室乗務員は、子供がトイレ待ちしているとき、優先的にトイレを使わせることがあります。時には、同じような配慮が必要になります。「ガマンできますか」とそっと聞いてあげるとよいかもしれません。

歳をとると、一般的には遠慮深くなります。中には、こちらから伺う前に、欲しいものをリクエストしてくる方もいます。しかし、飲物が欲しくても、ガマンしている方もいます。そのようなお年寄りへの気配り、目配りも忘れないようにするとよいでしょう。

エンターテイメントキット ・・・ トランプや子供用のプラモデルやお人形などが入っているキット
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中間日本語論

次の日本語を英語に訳してみてください。
 「すべすべした肌」 「さらさらした雪」 「ふわふわした掛け布団」 
日本語では、これらの擬声語、擬態語はあちこちで出てきます。これを専門用語で「オノマトペ」(ギリシャ語)と言います。日本人は、これらオノマトベをよく使いますが、いざ英語に訳そうとすると、「どう訳せばいいの!」ということになりませんか。次の言葉はどうでしょうか。
 「けなげ」 「いじらしい」
やはり英語に訳しにくくありませんか。これらは「やまとことば」です。日本語には、「オノマトペ」と「やまとことば」がとても多いのです。そして、これらの言葉は、とても感覚的でファジーなところがあります。日本人同士なら、これらの言葉を聞けば、すぐに、そのニュアンスを理解します。さらに、「エグい」「ダサい」とか感覚的な言葉が、新たに出現しています。

これらの言葉を英語に訳すときは、一度、別の日本語に置き換えることが必要になります。それから英語に訳すと、よりニュアンスが伝わるようになります。「すべすべした」は「なめらかなさま」ですので、最初に思いつく単語は Smoothです。そして、Smooth Skinと訳すかもしれません。ところが、何かもの足りないのです。そこで、手ざわりがなめらかな絹をもってきて、Silky Skinとすれば、「すべすべした感じ」が出てきます。

「さらさら」「ふわふわ」も同じです。感覚的、情緒的なことばを、そのまま英語に訳すには無理があります。また、一つの英語の言葉だけでは、充分ニュアンスが伝わらないことがあります。「さらさらな雪」は“Dry and powdery snow”とすればよいでしょう。「ふわふわな掛け布団」は“A light, soft and comfortable quilt”といえば、日本語の原意に近づきます。荒木博之氏は、日本語を英語に訳すとき、中間日本語の重要性を説いています。

「けなげ」を英語に直訳すれば、使う単語は、Admirable, Diligent, Hardworkingとなるでしょう。それぞれ、一つだけ使っても、「けなげ」というニュアンスは伝わりません。「けなげ」に対して抱いている日本人の感情は、弱い者、逆境、忍耐、勤勉が含まれているからです。子供のころはそうだったかもしれませんが、横綱になった朝青龍がいくら一生懸命相撲に打ち込んでも、「けなげ」とは言いません。親が病弱で、それを助けるために一生懸命働いている子供に、回りの人は「けなげ」だという感情を持ちます。裕福な家の子供にも使いづらいことばです。やはり、やまとことばにも、中間日本語が必要になってきます。ここでも、「けなげ」について分析し、別の日本語に置き換えてみるとニュアンスが伝わるようになります。そして、2つ以上の英語で表現するとよいでしょう。

参考 「日本語が見えると、英語も見える」 荒木博之著 中公新書
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能ある者、功ある者

職場生活をしていると、いろいろな不平やグチが聞こえてきます。その一つに、「なんであいつが・・・」とか、「なぜ彼女が先なの・・・」という出世や昇格に関わるものがあります。入社して3年目ぐらい経つと、同年入社の仲間が次のポストに就きはじめます。10年もすると、同期同士でも、2段階くらい差がついていることもあります。そこで出てくる言葉が、「なぜ・・・」です。時には、「あいつなら納得だ」と思うこともあるでしょう。

昇格している人たちを分類すると、2つに分けることができます。一方は、能力(実力)があるため出世した人たちです。もう一方は、功績をあげて出世した人たちです。

徳川家康は、家来たちの処遇について、しっかりとした考えを持っていました。その人事構想を持っていたからこそ、日本を統一し、300年間にわたる徳川時代を作り上げることができたと言われています。家康の考えは、「能ある者には位を与えよ、功ある者には禄を与えよ」というものです。それを取り違えてしまうと、職場の人間のやる気を失わせたり、間違った決断があったりします。その結果、組織が滅びると諌めています。

ところが、職場では、功績があるものに地位を与えてしまい、能力ある者に禄を与えてしまうような人事が、時として、行われています。功績ある人=能力がある人とは限りません。部下に不満を持たれる上司の場合は、その理由のひとつに、功あって今の地位についていることがあります。

 
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ビデ(Bidet)の話

格式あるヨーロッパのホテルに宿泊すると、パスルームに、便器のとなりにビデが備えられているのを見ることがあります。このビデの使用目的を知らない日本の観光客が、持ってきたそうめんを冷やすのによいと、そこで流しそうめんをしたという笑い話もあります。

ビデが最初に使われるようになったのは、1700年代の初めの頃です。最初は、そこに水をため、お尻や大事な部分を洗っていました。1750年ごろになると、水が吹き上げてくるものも開発されました。グランドホテル時代の到来とともに、ホテルでも設置されるようになったのです。

元来、ホテルは、宿泊だけでなく、男と女が楽しむための場所でした。ビデはそのために備え付けられていたのです。男女の行為が終わったあと、そこで、大事なところ洗ったり、その中を洗浄したりします。

ビデも時代とともに変化し、最近では、日本で開発されたウオッシュレットと同じ用途で使われることが多くなりました。

 
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年齢別勉強内容

「人生、一生勉強」という言葉があります。新たな知識が入って来なくなると、精神的老化が始まります。20代にして、すでに、老化現象が始まっている人を見かけます。

客室乗務員の場合、20代では、自分の仕事すなわち「サービス」について勉強をします。それにより、自分なりのサービスに対する考え方を確立します。サービスのプロになるための準備期間です。

プロとしてのサービスを実践できるのが30代です。サービス知識を引き続き掘り下げていきます。同時に、人の上に立つ勉強を始めます。よい「リーダーシップ」を発揮するための知識を吸収し、いつその立場になってもよいように準備します。自分だけでなく、部下たちにもよいサービスを提供してもらわなければなりません。

30代後半からは、リーダーシップをとる仕事に加え、「管理の仕事」が入ってきます。部下を持つようになると、「品質管理」「人事・労務管理」「健康管理」などが求められるようになります。30代の終わりまでには、これらについての知識を入れておかなければなりません。

40代は、経営が分からなければならない年齢です。「組織経営」すなわち組織を運営する立場になるのもこの年齢です。組織を運営するためには、自分の組織の使命を知らなければなりません。それを知るためには、会社全体の経営がどのように行われているか勉強する必要があります。組織を運営するためには、「組織とは」を知らなければ、よい運営ができません。また、経営には、数字がつきものです。経営上の数字の把握も必要になってきます。

乗務員は、現場での仕事をしてきていますので、組織論や管理理論に疎いところがあります。これからの時代、女性が管理の仕事に就く機会が増えてきます。その立場になってから勉強したのでは遅いのです。部下から嫌われる管理者ほど、これらの勉強が足りない人たちなのです。

 
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2段階上の見方

教官時代、訓練部長が、いつも部下たちに言っていたことばを、今でも思い出します。
『係長が課長になったら、その日から、課長の仕事ができなければならない。CFパーサーも同じだ。辞令が出たら、その翌日から、一機の長として部下や旅客に対応しなければならない。そのためには、日頃から上司の仕事ぶりを観察し、勉強し、準備をしておく必要がある。準備ができていないと、上司としての的確な判断や業務処理、部下への対応等ができず、まわりに迷惑をかけることになる』

「2段階上の勉強をしろ」という言葉があります。係長なら、課長の上の部長はどのような考えでいるのか、主任なら、係長を通り越して、課長はどのようにものごとを進めているのかなどを勉強します。Crewの世界も同じです。中堅からシニアーになれば、いづれ自分もHeadで乗務するときのことを、日頃から意識して仕事にあたります。CFパーサーの日常業務のみならず、FLTイレギュラリティ時の判断、処理、そして、旅客へのPAなどについて、意識して観察します。参考になる点があれば、手本にします。また、疑問があれば、確認します。

上司それぞれの立場や仕事内容を理解できるようになると、自分の仕事の幅が広がってきます。それが、自分が上司になるための第一歩なのです。

 
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お金を渡すとき

当塾では、スチュワーデスをめざす方たちのために座談会を開き、彼女たちにアドバイスや質問に答えたりしています。会費は、ホテル会場での飲物代実費をいただいています。そして、会費は、座談会終了時に集めています。

お茶の師匠をしている友人(女性)がいます。大学時代以来、いまでも友人としてお付き合いしています。彼女のお茶の稽古を、ときどき、見学させてもらいます。お茶の世界における礼儀作法はどのようなものかちょっと興味があったからです。

その日は、授業料を持参する日でした。生徒たちは、茶室に入り、入り口で挨拶の口上を行い、師匠である友人のところへ進み寄ります。そして、授業料が入った封筒を、扇子にのせ、日々の教えに対するお礼を述べながら、差し出すのです。

めざす人たちとの座談会が終わりになり、会費を集めていると、ある娘が、封筒を差し出してきました。他の人たちは、現金そのままでした。実は、封筒に入れて会費を差し出されたのは、このときが初めてだったのです。

“そうか、お金を渡すときは、包んで渡すのか”
これが、そのときの率直な感想でした。そして、その娘の所作に感激しました。

彼女は、飲物代実費としてだけではなく、座談会でのいろいろなアドバイスに対して、会費を封筒に入れることによって、お礼をしたかったのでしょう。お礼に関わるお金は、慶事のときと同じように、封筒(祝儀袋)に入れて差し出すとよいことが、受け取ってみて初めて分かりました。

社会生活の中で、ときとして急に、ご祝儀をわたす場面に出会うことがあります。バッグの中に、いつも1、2枚、祝儀袋を入れておくとよいと思います。

 
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箸の持ち方

教官をしていた頃、訓練生の中に、箸をちゃんと使えない人がけっこういました。そこで、「箸を正式に使えないとは、スチュワーデスの資格がない」とハッパをかけたのを思い出します。そして、ある時、両親から、「お前、箸をちゃんと持っているじゃないか。何度注意しても直らなかったのに・・・」と言われたと、訓練生の1人が報告に来ました。

人は、その立ち振舞いで、育ちやしつけの良さを見られています。立ち振舞いの中には、歩き方、座り方、姿勢、表情、物腰、手つきなどがあります。お箸の持ち方も、その一つです。お見合いなど正式な席で、お箸を正式に扱うことができなければ、恥をかくばかりでなく、先方の両親から、よい評価は得られません。

スチュワーデスであれば、だれもが、お箸を正式に持つことができます。しかし、それで安心をしないで欲しいのです。持ち方は、初歩のことなのです。その人の育ちが本当に評価されるのは、食事をするためにお箸を取り上げる時と、食事が終わって、箸置に置くときなのです。

箸置から、右手で箸の中ほどを持ちます。箸を支えるように左手を下側に入れます。そして、右手で持ち替え、箸を持ちます。箸を置く場合は、この反対の動作になります。ここまでは、第2ステップです。これでもまだ不十分なのです。

一番大切なことは、置いたお箸の先が揃っていること、お箸の先の汚れが少ないことです。ここまで注意を払ってください。見る人は、この2点を見ているのです。

 
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Noblesse Oblige

フランス語にノブレス・オブリジュ(Noblesse Oblige)という言葉があります。人の上に立つ者の心得として、現在でも、社会で活躍する欧米人の行動規範になっている言葉です。

騎士道の中世封建時代に、国王や諸侯の家来である貴族たちは、「貴族はその身分にふさわしく振舞わなければならない」「位高ければ、徳高かるべし」と教育されました。貴族たるものは、支配層として、文武のみならず、礼儀作法やマナーにも精通していなければなりませんでした。

子供ころから、水泳などもろもろの運動で身体を鍛え、キリスト教の教えをうけ読み書きを習う。また、食卓の作法など宮廷生活の行儀を覚え、吟遊詩人から音楽について学ぶ。また、主君の奥方など婦人への接し方を覚えます。とくに、女性崇拝については、騎士道の大きな特徴となっています。また、14才になると、騎士見習いになり、軍事訓練を受け、21才で正式な騎士となりました。

騎士は、いざ戦いになれば、先頭にたち、敵に突き進んで行きました。部下に先頭を行かさせるような者は、騎士としての資格がないと考えられていました。この考えは、欧米社会では、現代でも、脈々引き継がれています。

「ヨーロッパ社会と国際マナー」南村隆夫著より
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プライバシーの確保

大学時代の後輩がやっているバーラウンジに、ときどき部下たちを連れて行きます。そのオーナーである彼に、この商売をやっていて一番気をつけることは何か、と聞いたことがあります。一番気をつけているのは、「お客様のプライバシー確保」だそうです。ちょっとした一言で、お客様に迷惑をかけてしまうことがあるからです。いつも利用してくれるお客様が、女性や同僚と来たときなど、「先日は、ありがとうございます」と挨拶してしまうと、「お前、誰ときたんだ」とか「だれか他の女性を連れてきたんじゃない」となるからです。ですから、「いらしゃいませ、ご利用ありがとうございます」と、余計なことは言わないようにしているそうです。

お客様のプライバシーの確保は、このバーラウンジに限らず、サービス業であるならば、ゼッタイ守らなければならない鉄則となっています。機内のお客様についても同じです。

ある企業のトップが、自分のFLTに搭乗してきたとします。公に搭乗している場合もありますが、相手企業と隠密裏に交渉するために、飛行機を利用しているかもしれません。お客様に、搭乗の御礼には伺いますが、どちらでお仕事ですかとか余計なことは聞きません。また、外部の方にも、搭乗していたことを話しません。

芸能界の人たちが利用することもあります。この方たちにとって、機内は、報道陣から逃れられ、リラックスできる場になっています。ある時、当時、清楚な色気があるということで人気のあった方が搭乗していました。タバコなど絶対吸わないだろうというイメージの方でした。当時は、禁煙席と喫煙席がある時代でした。彼女は、禁煙席にアサインされていました。ところが、なにか落ち着かない様子なのです。もしかしたら、タバコが吸いたいのではないか、と思いたずねてみました。やはりそうでした。彼女をギャレーに招き遠慮なく吸ってくださいと伝えました。この姿を、世間に知らせてしまったら、彼女のイメージが変わってしまいます。

ときに、どうみても夫婦でないカップルが、内緒で搭乗してくることもあります。搭乗者名簿を見ればすぐに判ります。搭乗御礼の挨拶に行った時、それぞれに、「○○様ですね」といえば、嫌がられます。そのようなお客様は、だれにも知られたくないと思っているのですから・・・。

あるFLTで、お客様が機内に忘れ物をしました。名前や住所が分かる品物でしたので、忘れ物係の担当者は、お客様の自宅に連絡しました。奥様が電話に出たので、ご主人の忘れ物が、何々便であったことを伝えました。ところが、そのお客様は、家族に内緒で旅行をしていたのです。あとで、夫婦間で、気まずいことになったのは言うまでのありません。たとえ、忘れ物の連絡ひとつとっても注意が必要です。お客様本人と連絡をとるくらいの気遣いが必要なのです。

プライバシーを確保しないサービス業は、信用を失い、顧客が離れていきます。また、プライバシーの確保は、一人ひとりの従業員が注意しなければならない問題です。直接、マスコミにネタを流すことがなくても、親しいからといって、友人に話すのも禁物です。その友人から、他に情報が流れることがあるからです。

 
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欠勤の話

どの会社でも、社員が欠勤するのを嫌うことは、皆さんも知っているとおりです。

ある会社が、1年かけて100の仕事をしてもらうために、社員を1人雇います。その社員が病気で会社を3日休んでしまい、与えられた仕事の97%しか遂行できなかったとします。その人が、100の仕事を仕上げられないため、その会社は、もう1人社員を雇わざるを得なくなります。

この場合、 100の仕事を2人でしたことになります。そのため、病気で休んだ人は、極端に言うと、97の仕事をしたとしても、50の仕事をしたのと同じと捉えられます。なぜなら、その人のために、もう1人雇わなければならなく、人件費が2倍かかってしまうからです。会社とは、欠勤に対して非常に厳しい考えを持っていると思っていてください。反対に、人間は病気になることもありますので、救済の道を用意しているのも会社です。客室乗務員の世界で、ここ20年で一番変わったのは、勤務実績が非常に良くなったことです。仕事に対する女性の意識が大きく変化しています。

 
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2-6-2の法則

皆さんも、いずれ上位職になると思います。上位職になったとき知っておいて役に立つのが2-6-2の法則です。

世の中には、お金持ちは全体の2割しかいません。6割が中流で、あとの2割があまりお金のない人たちです。世の中には、美人と呼ばれる人は、やはり2割しかいません。あとの人達は、普通の人かやや不美人と呼ばれる人たちです。そして、美人と言われる2割の女性たちだけを抜き出して見ると、その人たちにも、2 -6-2の法則を当てはめることができます。2割の超美人、6割の普通の美人、それ以外の2割の美人となってしまいます。

職場に目を向けると、一生懸命仕事をしている人が多くいますが、有能だと言われる人は2割ぐらいしかいません。気になる人も2割くらいいます。どの職種でも同じです。有能なチーフパーサーは、やはり2割しかいません。スチュワーデスの人はどうでしょうか。上位職になると分かりますが、部下の中に、優秀だと思う人がいる反面、気になる人もかならずいます。Crewの場合、選ばれている人たちですので、気になる人は、世間に比べれば少ないと思います。

健康面でも同じです。2割の人が、病気ひとつせず欠勤という言葉に縁遠い人です。年に1、2度風邪などで休む人が6割、そして、なにかあると、すぐ体調が悪くなる人が2割弱います。

世の中は、お金持ちと呼ばれる2割の人がリードしています。組織も同じで、優秀と言われている2割の人が組織を動かしています。

上位職になればなるほど、最後の2割の人達をいかに少なくするかが大きな仕事になります。それと同時に、6割の普通の人を、最初の2割グループに引き上げるのも重要な仕事です。

 
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政界型、財界型、芸術系

会社人間は、タイトルのように、政界型、財界型、芸術系と大まかに3つのタイプに分かれるそうです。部下に対して、タテマエ的にモノを言う人は政界型の人です。表面的なことしか話してくれないような上司はそのような人です。これに対して、裏話や生の話しをしてくれる上司もいます。いわゆるホンネでものごとを行っている人もいます。これらの上司は財界型の人を言えます。一方、組織の中には、マイペースで行動している人もいます。どちらかというと、専門的な仕事をしている人にその傾向が見られます。

政治の大もとである国会は、タテマエとタテマエのぶつかり合いの場であり、妥協が繰り返されます。公の場所で、政治家がホンネを言ってしまったら、かならず物議になってしまいます。ですから、オフレコという言葉があります。一方、企業は利益追求集団ですから、財界型の代表である企業経営者は、ホンネでものごとを行います。企業目的を達成するためには、妥協は許されません。

組合も、一種の政治集団です。タテマエを重んじます。会社との交渉でも、タテマエがしっかりしていれば妥協します。会社側も、組合に対しては、タテマエをしっかり構築して臨みます。会社の中には、このように政治的関わりを持っている人がいます。組合担当や役所相手の仕事を長年担当してきた人は、タテマエを重視した行動になる傾向にあります。組合出身の役職者もそうです。

この人たちとは別の社内経験をしてきた人もいます。社会に役立つ商品を提供することによって、企業利益追求の仕事をしてきた人たちです。企画部門や営業部門や社内教育部門で育ってきた人たちです。財界型の人間と言えます。

タテマエの好きな上司に、ホンネで迫っても通じないかもしれません。ホンネが好きな上司のところに行って、タテマエの話しをしても受けません。職人かたぎの上司は、自分の専門分野のことを話すのが好きかもしれません。これらをバランスよく兼ね備えている上司はあまりいないものです。

 
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最近のパリ治安 −外務省海外安全情報ーより

● パリでの被害事例

犯罪発生状況

従来から観光地として旅行者が多く集まるパリは、スリをはじめ、引ったくり、窃盗、置き引き、強盗等の事件が多数発生しています。

日本人の被害例

犯罪発生頻度としてはスリ、置き引き、強盗の順に発生件数が多く、盗難に遭った際に抵抗した結果、怪我を負うケースも発生しています。

スリ、置き引きの典型的な手口としては、声をかける、物を落とす、立ちふさがる、押す等の行為によって、ターゲットの気をそらし、その隙に、貴重品を素早く抜き盗るか、置いてある荷物を持ちち去るケースが多く発生しています。

日本人被害の発生場所と手口

日本人の被害が発生している場所としては、ホテル、市内路上、地下鉄、空港、国鉄駅、美術館等の観光地の順になっています。なお、各場所における盗難の形態は次のとおりです。

[地下鉄]

パリには、14の地下鉄路線が存在しますが、日本人が最も盗難被害に遭遇している路線は観光名所を通る1号線です。この路線中、パレロワイヤル、シャトレ、エトワール、コンコルドの順で被害が多発しているので、これらの駅を利用する場合は注意を要します。また、1号線以外の駅で被害が目立つのはオペラ駅(3、7、8号線合流地点)です。

盗難の手口はほとんどがスリです。発生地点は車内、乗降口、及び駅構内の改札口、階段(エスカレーター)となっており、複数犯による犯行が顕著です。特にオペラ、パレロワイヤルでは子供が集団で被害者を構内・車内で取り囲み、鞄やポケットから金品を抜き盗る事件が多発して います。改札口、階段等では、2人組に前後を挟まれ後ろから抜き盗られる被害も多発し ています。

[路上]

パリの路上で、日本人が盗難の被害に遭遇しやすい場所としては、オペラ座周辺のモンマルトル界隈、シャンゼリゼ通りの3ヶ所が挙げられます。

オペラ座周辺では、地下鉄と同様に子供の集団によるスリが多発しています。信号待ち等をしている時に、2〜7人のグループの少年(少女)が新聞紙等を広げ取り囲み、それを払うのに気を取られている間に、四方からバッグやポケットに手を入れられ、金品を抜き盗られます。また、歩道を歩いていて、スクーター等に乗った2人組によって、追い越しざまにバッグ等を引ったくられる事件が発生しています。引きずられ転倒し、怪我をするケースがありました。

サントノーレ通りでは、有名ブティックが多いため、ウィンドウ・ショッピング中のスリの被害が多く、また、ショー・ウィンドウに見とれている間に、足を引っかけられ転倒させられての引ったくりもあります。シャンゼリゼ通りは、人が混雑するため、スリや引ったくりが多発しています。

[観光地、歓楽街]

観光地、歓楽街等は多くの旅行者が訪れるため、リュックサックやハンドバッグが知らぬ間に開けられ、貴重品を抜き盗られていたり、または不意を付かれてバッグ等を引ったくられる被害が発生しています。

クリニャンクールの「のみの市」、ルーヴル美術館、サクレクール寺院周辺、ノートルダム寺院での被害の発生が顕著です。クリニャンクールは、「のみの市」で知られ、日本人旅行者がよく訪れる場所です。同地では、現金取引による売買が多いため、その現金を狙った、強盗(催涙ガス等を使用)や引ったくりが出没しています。

ルーブル美術館入り口広場付近は、集団の子供によるスリが多発しています。美術館内では、人の混雑するモナリザ、ビーナス等の周辺でのスリ、休憩場所のソファーでの置き引き、売店でのスリの発生が顕著です。サクレクール寺院周辺は、近くにピガール等歓楽街があることもあり、引ったくり、催涙ガスを使った強盗等凶悪な盗難事件も発生しています。

[ホテル]

 被害のほとんどが置き引きです。有名ホテルであるか否かを問わず被害が発生しています。主な被害発生場所は、ホテル内のレストラン、ロビー、フロントです。レストランでの被害のほとんどが、バイキング形式の朝食時に発生しており、食べ物を取りにちょっと席を立った隙にテーブルや椅子に置いたバッグを盗まれています。ロビーやフロントでは、チェックインやチェックアウト、両替や係員との応対中、カウンターや足下に置いた荷物を盗まれるケースが多く見られます。

[国鉄駅]

リヨン駅、北駅、東駅で多くの被害が発生しており、そのほとんどが置き引きの被害です。駅構内では、犯人の1人が被害者に話しかけ(または、被害者の服にケチャップをかけたり、被害者の目の前でコインをばらまき)、注意を逸らし、その隙にもう1人の犯人が、被害者が足下に置いた荷物を持ち去る事件が多発しています。インフォメーション窓口や切符売場で、カウンターで係員と応対中に、足下に置いた荷物を置き引きされる被害が多発しています。
 
[デパート、ブティック]

盗難事件総数全体から見ると、大きな割合は占めていませんが、オペラ座付近、シャンゼリゼ通りのデパート、ブティックで置き引きやスリ被害が発生しています。手口は、衣服等の試着中、バッグ等を置き引き、または、貴重品を抜き盗るものが多発しています。

[カフェ、レストラン等]

飲食中、上着の内ポケットに貴重品を入れたまま椅子の後ろに掛けたり、荷物を椅子の下または横に置いて、会話に没頭している隙にスリ、置き引きの被害に遭っています。

[偽警官による詐欺事件]

主な犯行手口は、私服警官と偽る複数犯(通常2人)が、旅行者に近付き、麻薬捜査等を理由に所持品検査を行い、旅券及び財布等を提示させた上で所持金の一部を盗むというものです。偽警官は通常2人で行動していますが、偽警官が待っている付近に旅行者を誘導する共犯者1人を含む3人で行動している場合もあります。また、車を利用し、旅行者のすぐ側に停車して声をかける場合もあります。そのほか、警察官と信用させるために、警察手帳らしき黒表紙の手帳をちらっと見せる場合や、本物に酷似した偽手帳を見せる場合もあります。被害は、シャンゼリゼ通り(第8区)やその他の観光名所、地下鉄の駅、市内ホテル等で多発しています。私服の警察官が路上で、麻薬捜査を一般旅行者を対象に行うことは稀ですので、手帳を十分に見せてもらったり、周囲のフランス人に本物の警察官か否か聞いてみるのも一つの撃退法です。

[被害事例]

日本人旅行者が市内ホテル付近で、1人の男に話しかけられ対応していると、別の複数の男が私服警官を名乗り近付いてきて、麻薬取引の容疑があるとして所持品及び身元検査と称し、旅券及び財布の提出を強要した。検査する振りをしながら財布の中から現金を抜き盗られた。

凱旋門付近を日本人2人が歩行中、私服警官を名乗る男が現れ、財布の提出を強要した。2人は不審に思い「日本大使館で話そう」というと、犯人は仲間のものと思われる車に乗って逃走した。

その他

市内を車で移動中(タクシー乗車中を含む)、赤信号等で停車した時に、2人乗りのオートバイに、助手席または後部座席のガラスを割られ、車の中からハンドバッグ等を強奪される。

 
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Duty FreeとTax Free

皆さんが、機内で販売している免税品は、英語でいうとDuty Free Itemsですか、それともTax Free Itemsですか。日本語だと、「免税品」と一つの言葉ですましていますが、英語では2つの表現があります。

パリのエルメスで、買い物をすると、払い戻しのための書類をくれますが、この書類には“Tax Free”と書いてある筈です。ところが、同じ製品を、HNLの免税店で買うと、Duty Free扱いとなります。HNLの免税店の代表的な店に、「Duty Free Shoppers」がありますが、「Tax Free Shoppers」という名前にはしていません。

東京の秋葉原の電気街には、外国人旅行者も訪れます。一部の店では、Tax Freeコーナーを設けています。秋葉原ではすべでTax Freeの方を使っています。LONの街を歩いていると、洋服の生地などを売っている店などでも、店先にTax Freeと書いてあります。

機内ではどうでしょうか。皆さんは、機内販売をするときに、英語でなんと言っていますか。どちらを使っても、特に問題はありませんが、その違いだけは知っておいてください。機内では、真珠製品はTax Free Itemです。エルメスなどの外国製品はDuty Free Itemです。ここまで来ると、何となく違いが分かったと思います。

日本の航空会社の機内で、日本製品を免税で販売しています。国内で購入すると5%の消費税がかかりますが、その消費税(Consumption Tax)が免税になっています。一方、Dutyを辞書で調べてみると、「関税」という意味が出てきます。どの国も外国製品を輸入する場合、関税がかかります。Duty Freeというのは、この関税がかかっていないという意味です。エルメスのスカーフは外国製品ですので、日本の国外で使用する前提で、この関税分を引いて販売しているわけです。

したがって、HNLの「Duty Free Shoppers」は、アメリカ製品以外の輸入品を、主に扱っていますので、Tax Free Shoppersという名前をつけるわけにいかないのです。

 
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TIMを読もう

いままで、TIMをじっくり読んだことがありますか。英語で書いてあるので、ちょっと面倒くさいかもしれません。だけど、中堅乗務員になったら、TIMを読めるようになってください。各国のCIQについて詳しい情報が書いてあります。

たとえば、NYCでは、旅客が免税基準以上にタバコを持ち込む場合、州税(具体的な税額)を払えば持ち込めると書いてあります。ところが、SFOやLAX などカリフォルニア州の場合は、免税基準以上のタバコの持ち込みは禁止されています。もちろん、US Visaについても詳細が書かれています。検疫関連もしかりです。

TIMが読めるようになると、各国の入国関係について英語で説明できるようになります。マニュアルに記載されている各国のCIQは、このTIMから来ています。TIMは毎月Reviseされたものが搭載されます。古いものでよいですから、一冊調達して手元においておくとよいでしょう。(TIMを機内搭載していない航空会社もあります)

  TIM ・・・ Travel Information Manual

 
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情操教育

1990年前後に教官の仕事して居た頃の話です。担任教官の手元には、訓練生の履歴書が回ってきます。訓練生がどのレベルなのか、どのような教育を受けてきたのか、どのような家庭で育ってきたのか、訓練が始まる前に、一人ひとりについて把握します。当時の訓練生の資格・趣味欄には、ピアノ、バイオリンなど楽器を弾ける人、華道、茶道などの資格を持っている人が多くいました。スチュワーデスになる人は、子供の頃から、いわゆる情操教育を受けてきた人が、とにかく多いのです。

また、現場でも、優秀な人の人事ファイルを見ると、やはり、資格・趣味の欄には、これらの記述があります。

情操教育の利点は、感じる力を養うところにあるように思います。感じる力のある人は、いろいろなことに関心を持ちます。関心を持つから本を読んだりするのも、自然のうちに行うようになるのかも知れません。これから、子育てをするのなら、ぜひ、進学塾に通わせる前に、情報教育することを進めます。

 
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チャンスはいただけ

中堅乗務員になると、上司から、乗務以外の仕事をしてみないかと、話がくることがあります。パリに行けなくなるとか、面倒くさい仕事はいやだとか言っている人がいますけど、地上研修やプロジェクトチームの話がきたら受諾しなきゃダメですよ。

なぜかというと、地上の仕事をすると、どこの組織が何をやっているか。飛んでいるだけでは分からないことが見えてきます。上の人のことも分かるようになります。それと同時に、乗務プラスアルファの知識や情報が入り、皆さん自身の幅が広がるからです。

MGR のところには、ときどき、誰か人を選出してくれないかと話がきます。MGRは、この仕事だったら、この部下が適任だと考え推薦します。推薦する前に、皆さんに”このような話がきているんだけど、どうか”というような打診をすることがあります。そのとき、皆さんの反応がよくなければ、”この部下はその気がないんだ”とMGRはあきらめてしまいます。他のMGRも推薦を出してきますので、そちらに持っていかれてしまいます。

組織というのは、チャンスを与えたのに受けなかった人には、次のチャンスはなかなか与えないものです。他にも、チャンスを与えなければいけない部下はたくさんいるのです。上司が乗務以外の仕事を、あなたに持ってきたということは、あなたに一目置いているからだということを忘れないでください。

 
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9の倍数と命

昔の人は、そろそろ赤ちゃんが生まれるよ、と潮の干満をみながら言っていました。生命の誕生は、潮の干満と関係があるといいます。潮の干満は、赤ちゃんの誕生だけでなく、人間の生命と深い関係にあります。

潮の干満は、1分間に9回だそうです。この倍数の数字は、人間が生きていく上で大切な数字となっています。2倍の"18"は「1分間の呼吸数」です。その倍の"36"は「体温」、次の倍数"72"は「脈拍」と「最低血圧」です。そして、"144"は「最高血圧」なのです。

First Aidで、お客様の脈拍をチェックしても、正常値を知らなければ、何にもなりません。忘れたときは、9の倍数を思い出してください。

 
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呼吸の話

読みやすい文章は、読み手の呼吸に合わせて、句読点が打たれています。PAなどで、「間」をうまくとれ、と言われます。「間」とは、ひと息の長さであり、話の途中で、聞き手側にいかにひと息つかせるかなのです。呼吸の大切さは、このようなところにもあります。

ところで、呼吸は、「息を吸う」(Inhale)と「息をはく」(Exhale)の二つで成り立っていますが、生きる上で、特に重要なのはどちらだと思いますか。

人間が亡くなるのを、「息を引き取る」と言います。人間は息をはくことができなくなったとき、その命は終ります。つまり、生きる上で、大切なことは「息をはく」ことなのです。

ある時、HNL便で、新婚旅行の新婦がショック状態になったことがありました。そのカップルは、結婚披露宴を終え、そのまま新婚旅行に出てきました。新婦は、嫁ぐ前の日は、気持ちもゆれ、よく眠れません。式当日は、朝早くから衣装合わせだの、髪結いだの、一日中休むヒマがありません。そして、式と披露宴です。彼女も疲れきって飛行機に乗ってきました。その日のFLTは、低気圧の影響で揺れに揺れました。かわいそうなことに、彼らの席はE Comp'tです。彼女は、疲れきっていたこともあり、空酔いで気持ち悪くなり、とにかく吐きまくったのです。もう吐くものも出てきません。そのうち、あまりの揺れに不安になり、ついにショック状態に陥ってしまいました。

ここで、息をはかせることの大切さが出てきます。ショック状態に陥ると、自分自身で呼吸をコントロールできなくなってしまいます。彼女もそうでした。息を吸ってばかりいるのです。目も開きません。そこで、彼女に対し、何をしたかというと、まずは聞こえるように大きな声で、
 
 「大丈夫ですからね。揺れていますけど大丈夫ですよ。心配ないですからね」
 「私の言うとおりにすれば、あなたも大丈夫ですからね!」

と、安心させたのです。次に、

 「私の言うとおリ、呼吸をして!いいですね!」
 「ハイ、それじゃ、ゆっくり息をはいて!」
 「次は、ゆっくり息を吸って!」
 「ゆっくりはいて!ハイ、ゆっくり吸って!」

始めのうちは、まだショック状態が続いていました。自分はどうなるのだろう、という不安を取り除きながら、「ゆっくりはいて!ゆっくり吸って!」を何度も何度も繰り返したのです。呼吸が整ってくると、精神的な不安感も薄れてきます。そして、目が開きました。
 
息は、吸ってばかりいては、「息を引き取る」ことになってしまいます。息をはかせれば、おのずと息を吸います。命を助けるポイントは「息をはかせる」ことなのです。人間は息をはいている限り生きています。

 
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採用人数

スチュワーデス採用募集に際しては、だいたい8000人くらいの応募があります。ところが応募人数が多いから、よい人材を採用できるとは限らないのです。なぜなら、記念にというか、ダメ元で応募してくる人も多いからです。

よい人材が確保できたかどうかは、応募総数ではなく、採用人数によるのです。筆者がいた航空会社では、1970年代の高度成長期には、毎年1000人くらいCAを採用したこともあります。 B-747など、機材が大型化したことも、採用人数が増えた理由です。それも落ち着き、80年代になると、年にもよりますが、だいたい年間、400人前後を採用していました。いままでの経験からすると、年間の募集人数が300人以内だと、スチュワーデスに向いている人だけを採用できます。年間500人を超えると、残りの200人は人員確保のために採用した人たちです。1960年代後半から70年代にかけて、男子も、年間に100人程度採用していました。そのような時代だったので、筆者も客室乗務員になれたのです。

 
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サービスは技術

 飛んでいて感じるのは、皆、お客様への接客も悪くないし、一生懸命やっているんだが、サービス技量が落ちているような気がします。たとえば、

(1)皿の取り出し方

ファーストクラスやビジネス クラスで、デザートをワゴン(もしくはTrolley)でサービスしますが、ワゴンの中段から5インチ皿を取り出すのが無造作な人が多いように思います。両手で丁寧に取り出すのが一番よいのですが、そうもいかないので、片手で取り出します。そのとき、親指がお皿の表面に触れてしまっているのです。ここはぜひ技術を発揮してほしいところです。片手で、親指を使わずに、他の4本の指だけで、5インチ皿を取り出します。コツは、重なっている5インチ皿の一番上の皿のEdgeに、中指の腹部分をあて、すこし持ち上げます。持ち上がったところで、親指以外の4本の指を、皿の下側に指し入れます。そして、持ち上げ、取り出します。

(2)皿の持ち方

デザートやチーズを盛りつけている5インチを持っている時も、親指が皿の表面に触れている人がいます。基本は、親指以外の4本の指の腹部分で皿を持ちます。親指はあくまで、皿に添える程度です。親指を使って皿を持つことはしません。

(3)飲物調製

飲物は、機内で皆さんが作ることができる唯一の商品です。出来あがった商品(飲物)があふれそうになっていたり、すくなく貧弱に見えるケースがあります。見栄えがよくおいしそうに見える商品を提供してほしいと思います。あふれそうになっているのは、氷を後から入れるからです。グラスには、必ず最初に氷を入れ、それから飲物を入れます。炭酸ものだと、泡が立つから氷を後から入れると主張する人がいますが、やはり素人のやり方です。プロのサービスをしてほしいです。また、氷がプカプカ浮いているような水割りもおいしそうに見えません。

サービスは、技量も必要です。ニコニコして一生懸命やっているだけでは、よいサービスという商品を提供していることにはなりません。

反論、異論、大歓迎 皆さんの意見を・・・。

 
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