キャビンアテンダント・フラトアテンダントのための
≪飲料サービス講座≫

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飲み物サービス
ブルーハワイ = ラム(Rum)酒

以前、ハワイ便では、カクテルのブルーハワイ(Blue Hawaii)やマイタイ(Mai Tai)をサービスしていました。これらのカクテルのベースはRum酒でした。ところで、Rum酒の原産はどこか知っていますか。すぐに答えられる人は、お酒についてかなり"通"です。そうです、原産地は「キューバ」です。それでは、なぜキューバ原産のお酒をハワイのカクテルに使っているのでしょうか。

それは、Rum酒の原料が"砂糖きび゙"だからです。ハワイも砂糖きびの産地ですので、ラム酒と深い関係にあります。そのため、ハワイに因んだカクテルにもラム酒を使っているのです。


お酒の原料

キューバでは砂糖きびが生産されますので、それを原料にしてラム酒をつくりました。その酒の原料に何が使われているかを忘れたときは、その国でたくさんとれる穀物を思い出してください。ほとんどの場合は、それが原料になっています。

日本は米が主な穀物ですので、日本酒は米を原料にしています。アメリカのバーボンウィスキー(Bourbon Whisky)は、とうもろこしやライ麦が原料です。フランスはぶどうがたくさん採れるので、それを原料にWineやBrandyを作りました。寒いロシアや英国などで生産されるのは馬鈴薯やライ麦、大麦です。それが寒い国の酒の原料になっています。ロシアのVodkaは大麦や馬齢者、とおもろこしであり、英国のScotch Whiskyの主原料は大麦です。Ginも大麦やライ麦、とうもろこしを原料にしています。


カクテルの調合

機内で調合するカクテルは、"割もの"といってWhiskyをSodaで割ったり、VodkaにTomato Juiceを入れたりしたものがほとんどです。これもカクテルの一種です。以前は、FRクラスでは、ジンフィズやブランディサワーといったカクテルも提供していました。現在では、これらシェイクものカクテルはメニューから消えてしまいました。しかし、お酒を提供する側として、カクテルの調合方法の違いについて知っていてください。カクテルを調合する方法は、大別して3つあります。

シェイク ・・・ シェーカーで作るカクテル
アルコール度の高い酒、卵、果汁、ミルクなど比重の重いものを混ぜ合わせるときは、シェーカーをつかってカクテルを調合します。
ステアー ・・・ MixingグラスでStirして作るカクテル
強くシェイクしてしまうと味が変わってしまうワイン類、アルコール度の低い微妙な味のもの、透明感を売りものにするカクテルは、MixingグラスでStirすることになっています。
ビルト ・・・ 直接グラスにベースの酒を入れ、ソフトドリンク等をBuild(重ねる)して作るカクテル

に分かれます。水割りなどはBuildもの(=割りもの)です。簡単にいうと、マンハッタン(Whisky+ベルモット)のように、酒と酒をミックスするカクテルはMixingグラスを使い、ウィスキーサワーのように、酒と果汁等をミックスする場合はシェーカーを使います。


氷が先 − 飲物の調製

皆が作る飲物は、ひとつの商品であり作品です。皆さんが調合した飲物は、商品として、お客様に提供する必要があります。。

そのためには、見た目にちょうどよい分量の飲物が、グラスに注がれているようにします。目安は8分目です。モノグラムがあれば、その下側まで注ぎます。グラスに注がれたカクテルが、多すぎてあふれそうになっていたり、量が少なく貧弱に見えたりするような作り方の人がいます。あふれそうになるのは、氷を最後に入れるからです。調製の基本は、

氷 ⇒ ベース酒 ⇒ 割り物(ソーダ等)

の順です。

氷を先に入れるもう一つの理由は、注いだお酒やSoda類を少しでも冷やすためです。Yクラスで、コーラなど炭酸系の飲物を注文されると、氷を後に入れるCrewがいます。たぶん、氷⇒コーラの順だと、泡が立ってしまい、調製に時間がかかるからだと思います。これをしているCAが作った飲物は、たいていあふれ気味です。氷を先に入れても、泡を立てずにコーラを注ぐ練習をしてほしいものです。プロなら・・・。


1oz = 28cc

ホテルのBarでは、水割りやGin Tonicなどの割りものを調製するとき、ベースの酒はワンショット(1oz)にしています。グラスに氷を入れ、ワンショットのウィスキーを注ぎ、そしてWaterを注ぎ足します。これが、だれでもが飲める濃さです。

筆者が在籍していた航空会社のファーストクラスでは、昔から、ベース酒を1.5ozで調製してきました。いわゆる、氷を入れた状態で、指2本分の目分量です。したがって、やや濃い目です。

ビジネスクラスやエコノミークラスでは、Miniatureボトルを使用しています。Miniatureボトルでつくるとき、1/3くらい残すようにしています。そうするよう先輩、教官に言われたからだと思います。なぜ1/3残すのでしょうか。

実は、Miniatureボトルには、銘柄によって違いますが、50cc〜60ccのお酒が入っています。

Oneショット = 1oz = 28cc

であることを覚えておいてください。すなわち60cc入っているMiniatureボトルのウィスキーを、すべて注いでしまうと、その水割りはダブル(Twoショット)になり濃すぎます。正確にいうと、割りものを調製するときは28cc分注ぎます。だから、Miniatureボトルに少し残すのです。あとはお客様が自分で好みの濃さにします。


レモンを入れる・入れない

カンパリ・ソーダは人気のあるカクテルの一つです。航空会社によって、カンパリ・ソーダにレモンを入れたり、入れなかったりする場合があります。J社では、レモンを入れないでサービスする方針をとっていました。だからといって、お客様が入れて欲しいといったら、けげんな顔をしてはいけません。入れてあげてください。因みに、カンパリはイタリアの酒です。カンパリはそれを作った人の名前からきています。

イタリアなどの地中海周辺諸国やアメリカなど、レモン生産国でカンパリ・ソーダを注文すると、必ず、レモンが添えてあります。レモンを生産している国では、それを消費するために、料理や飲物にレモンを使うことが多いと言えます。また人々もレモンに愛着を持っています。

一方、英国のように、レモンを生産しない(気候的にできない)国では、レモンをやたらと使いません。レモンTeaなどもってのほかだと思っています。英国人に言わせると、「あんなのはアメリカ人がやる亜流の飲み方だ」となります。


お酒を注ぐ

お客様の杯に、お酒を注ぐときに注意する点は、ワインボトルやお銚子の口が、お客さまのグラスに触れないようにします。そして、ワインラベルやビールラベルを粗末に扱わないことが大切です。注ぐとき、ラベルが上に来るようにして持つのが基本です。お銚子の場合は、注ぎ口がない場合は、絵柄のある正面部分を上にします。絵柄がない場合は、特に向きを気にしなくてよいでしょう。

注ぐとき、行なってはならないのは「さかさつぎ」です。手のひらを天井に向けて注ぐのは、相手に失礼になります。


注ぐ量

注ぐ量は、お客さまのグラスや杯の8分目が目安です。レストランなどで使用するワイングラスの場合と少し違います。機内のワイングラスは、搭載や収納の関係から、機内サイズになっています。また、杯に注ぐ日本酒やビールの場合も同じです。杯いっぱいに注いでしまうと、飲みづらくなってしまいます。

日本酒を杯に注ぎ終わる直前には、ワインと同じように、お銚子を少し回すようにします。やはり滴が垂れなくくて済みます。


差しつ差されつ

お銚子の杯が小さいことや、料亭などで使用するビールグラスが小ぶりにしてあるのには意味があります。お互い注ぎ合う回数を多くするためです。回数が増えれば、それだけ声をかける機会も増えます。コミュニケーションの一助となっています。

日本酒のお酌を受けるときは、かならず杯を持ちます。そして、一口は口をつけます。そして、テーブルに置くようにします。口もつけずにテーブルに置くと失礼にあたります。だからといって、すぐに飲み干すのもマナー違反となります。必ず杯に少し残しておきます。そして、お酌を受けるとき、残っているお酒を飲み干します。杯に残ったままで「注ぎ足し」を受ける場合は、「失礼します」の一言が必要になります。テーブルに置いたままの杯にお酌を受けたり、先方の杯に注ぐのは「置き注ぎ」と呼ばれ、マナー違反となります。

機内では、時によって、「置き注ぎ」や「注ぎ足し」をせざるを得ないことがあります。料亭などにおける杯のやりとりなどを知っていると、必要な声かけができます。


ワインのRefill

料理サービスで忙しいと、忘れがちになるのが、ワインのRefillです。まだ食事を召し上がっているのに、ワイングラスが空になったままなんて、Crewとして恥ずかしいことです。

お客様に言われる前にワインをRefillします。ワインがグラスに1/3ぐらいになっていたら

自動的にRefillするくらいの感覚です。

その際、注意することがあります。白ワインの場合、残っているワインとせっかく冷やしてあるワインが混ざるのを嫌がる旅客もいます。お客様に一声かけてからRefillをするとよいでしょう。ワインの注ぎ足しについては、航空会社によって考え方(方針)が違うことがあります。


グラス類の扱い

飲物を調整してお客様に提供するとき、グラスの持ち方が悪いと、せっかくのカクテルは台なしになってしまいます。お客様の目の前であろうとなかろうと、グラス持つときは底の部分をつかみます。

シャンペングラスやワイングラスを、お客様のテーブルにセットするときも、かならずStemをつかむようにします。

飲物サービスで、一番恥ずかしいことは、グラスのふちが欠けるいることです。飲物を作る前に、グラスを持ち上げて、汚れがないか、欠けていないかかならず確認します。

 
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