TVドラマ「アテンションプリーズ」
皆さんも知ってのとおり、今回のTVドラマ「アテンションプリーズ」は、昭和45年(1970年) 頃、日本が経済成長めざましい時代に放映された「アテンションプリーズ」の現代版です。1960年代までは、飛行機は限られた人の乗り物でした。1970年代になると、ジャンボジェット機が導入されるなど、航空機による大量輸送時代の幕開けが始まりました。多くの人々に海外旅行に行ってもらうために、TV局と航空会社が協力して製作したのが、最初のシリーズです。
日本は、1990年代のバブル崩壊に続き、景気が長いこと低迷していましたが、やっと景気がよくなってきました。最初の「アテンションプリーズ」が放映された頃も、景気はとてもよい時期でした。今回も、また、景気がよい時期での放映となっています。財布のヒモがゆるみはじめた消費者を、航空機利用へ呼ぶ込むための戦略が見え隠れしています。
最初のシリーズは、もうひとつの役割を果たしました。それは、ジャンボジェット機が投入されて、航空会社は、大量の客室乗務員を必要としていました。JALだけでも年間1000人近くのスチュワーデスを採用する必要がありました。スチュワーデスは別世界の人たちと考えていた若い女性たちに、スチュワーデスの世界を知ってもらう目的もあったのです。
昨年、やはりANA客室乗務員を扱った、TVドラマ「グットラック」が放映され話題にのぼりました。そのあと、ANAは大量の客室乗務員を採用しています。そして、2006年に行われた新卒者対象の「人気企業ランキング」で、就職したい会社のトップになりました。「グッドラック」は、世間の目を同社に向けたり、優秀な人材確保したりするのに大きな役割を果たしています。
もうひとつ、最初の「アテンションプリーズ」「スチュワーデス物語」など「JALスチュワーデスもの」は、TBS系が行なっていました。現在放映されている「アテンションプリーズ」はフジTVでの放映となっています。そして、「グッドラック」はTBSでの放映でした。航空会社とTV局との関係が変化しているかもしれません。
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